手や足の多汗症について

足汗のイメージ画像

手や足には汗腺が多く集まっているため、多少の汗は誰でもかくものです。
しかし、あまりにその量が多すぎると、何かの疾患を疑った方がいいかもしれません。
多量の汗が何を意味しているのか、その可能性について考えてみましょう。

手足は汗をかきやすい部位?

冒頭でも触れた通り、手足からある程度の汗が出るのは当然です。
人の体で汗が出やすい場所をいくつか挙げると、頭、脇、お腹、背中などです。
そして、これらの部位と比べても手や足から出る汗の量は、それほど遜色ないほどと言ってもいいかもしれません。
ただ、体温が上がった時に出る手足の汗については、それほど気にしなくて問題ないでしょう。

手足の多汗症について

汗は体温調節などを目的とするものですので、ある程度の量はかかなければいけないものです。
その必要な量よりも、多くの量の汗をかいてしまうことを多汗症と呼びます。
手の平から大量の汗が出る人は「手掌(しゅしょう)多汗症」である可能性があります。
また、足裏から大量の汗が出る場合には「足蹠(そくせき)多汗症」の可能性があります。
手と足の両方かた大量の汗をかいてしまう状態、上記の二つが複合されたような状態は「手掌足蹠(しゅしょうそくせき)多汗症」と呼ばれています。

日本人は臭いに敏感な人が多く、ちょっとでも汗が臭いを発していると「もしかして私って多汗症で迷惑をかけてる?」と思う人もいるかもしれません。
それでは、どれくらいのレベルになれば多汗症を疑った方がいいのかですが、必ずしも明確な基準というものはありません。

ただ、何か書き物をしているときに紙類がシワシワになるほど濡れていれば、手掌多汗症の可能性があるかもしれません。
また、足の裏に汗をかきすぎて、靴底からそれが漏れ出たり、あるいはそれが原因で水虫を発症するほどになれば、足蹠多汗症の可能性があるかもしれません。
何にしても、可能性があるというだけで、素人判断すべきものではありませんので、多汗症かどうかは医師の診察を受けるべきでしょう。

手掌足蹠多汗症は心因性のものが多い?

もし全身にまんべんなく汗をかくのではなく、手や足にのみに集中して汗をかいてしまう場合には、精神的なものを原因とした多汗症かもしれません。
「精神性発汗」と呼ばれ、自身でコントロールできなくなるため、劣等感を抱きやすくなります。

精神的発汗の原因についてですが、人には交感神経、副交感神経と呼ばれる自律神経があります。
交感神経は日常である程度、緊張が必要な場面で優位になります。
副交感神経はその反対で、ゆったりとした気分のときに働きます。
仕事のあとにお酒を入れることによってストレスを発散できる人は、自律神経を切り替えるスイッチとしてアルコールを使っているのです。

たくさんの人がいる前で話をしたことがある人は、その状況を思い返してください。
心拍数がどんどん高まっていき顔や手足や脇の下などにびっしょりと汗をかいた人もいるはずです。
これは交感神経が活発に働きすぎているから起こる現象です。
じんわりとした汗くらいにとどめておけるなら問題はないでしょう。
しかし、周りから見ても分かるような大量の発汗があれば、それは交感神経が過剰に活動している事が考えられます。

精神的発汗の原因について

精神的発汗が多くなる原因として、自意識が過剰に働きすぎてしまう事が考えられます。
「みんなが自分の一挙手一投足に注目している」、「汗をかきすぎておかしな人間と思われている」などといった思い込みによって、自分を追い詰めてしまいます。
主観的な病とも言えるような状態ですので、客観的に物事を見るくせをつけることで改善に向かいやすくなります。

最近、精神科や心療内科で、マインドフルネス瞑想が取り入れられるようになっていると言われています。
これは原始仏教が起源となっており、古来より多くの人が実践したそうです。
マインドフルネスとは、ありのままの自分の現在をそのまま受け入れることを意味しています。
それ以上でもそれ以下でもなく、等身大の己をそのまま許容するトレーニングです。

例えば、発汗が激しくなっても、「今、自分は汗をかいているんだな」と自らの状態を客観視する事ができれば、それによってパニックにならなくなります。
主観的になればなるほど、人間は視野狭窄的な状態に陥ってしまいます。
慌ててしまってもたくさんの汗が出ても、それをそのまま受け入れるのです。
そこに感情的なジャッジを下さなくなれば、俯瞰して自分の姿を眺められるようになります。
感情的にならずに、客観的に自分の状態を考えるという思考のクセが身につけば、症状は改善されていく可能性があるでしょう。

多汗症の治療法

多汗症の治療方法は複数あります。
どれがマッチしているかは人によって違うのため、一つの治療法が合わなかったからと言って、落ち込む必要は全くありません。
じっくりと自身に合う方法を探していきましょう。
ここでは、代表的なものを軽く紹介しておきます。

ボツリヌス注射

発汗のメカニズムをもう少し説明すると、アセチルコリンという交感神経から放たれる神経伝達物質が、汗腺を刺激をすることで汗が出るというものです。
ボツリヌス注射を汗をかきやすい箇所に打つことにより、このアセチルコリンが出るのを抑制することができます。
一度注射を打てば、一生効果が続くというような性質もものではなく、3ヶ月から、長くとも半年ほど経過すれば、その効き目が薄れていきます。
なので、再度打ち直す必要があります。

イオントフォレーシス

手や足を水道水にひたして、電流を流す方法です。
1回につき30分ほどの通電を、8回~12回程度行うと汗の量が減ってくると言われています。
通電により生じる水素イオンの作用で、このような効果があるのではないかと言われています。

まとめ

「こうなったらどうしよう」「こんな風に思われたら嫌だな」などと思い悩むことが増えれば、自然と笑顔が減っていきます。
多汗症は臭いにも関係しやすいため、劣等感を持ってしまう人も数多くいます。

ですが、ここで紹介したように、手汗や足汗というものは、解決の方法があるものですので、諦める必要はありません。

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